振付け
踊りそのものが芽生え、開花し、消えて行く風景は、ステップを連ねる以前に音楽によって完璧に描き上げられています。 コリオグラファーの役目は、曲がすでに立ち上げている景色の一部として舞うダンサーに必要な鼓動や流れを、...
踊りそのものが芽生え、開花し、消えて行く風景は、ステップを連ねる以前に音楽によって完璧に描き上げられています。 コリオグラファーの役目は、曲がすでに立ち上げている景色の一部として舞うダンサーに必要な鼓動や流れを、...
踊っている時こそが、一番鮮やかに音楽の生命を感じる瞬間です。踊る事によって初めて音楽を生きる事が出来る。踊っている自分と音楽を聴いている自分の間には隙間も境界線もなくなり、どこからどこまでがステップで、どこからどこまで...
今夜もやはり雨 窓の外は風にちぎれる雨 窓の内は津軽三味線の雨 縦に斜めに踊る雨 舞を操る三味の音 降れよ降れ 踊れよ踊れ 流れて弾けて沁み込んで 歌って乱れて倒れ込んで 夜は長いが人生短い 朝は遠...
土砂降りのギター。それがエスタス・トンネの演奏を最初に聴いた時の印象でした。どこか怒りにも似た情熱を、その一筋ひとすじで大地に叩きつけるように降り続ける雨。 エスタスが奏でる美しい情景に誘われるというよりは、引き...
雨が静かに流れる淡いグレーの風景をぼんやりと眺めながら、サン=サーンスのレクイエムを聴いていました。 まるで光が灯っては消えて行くようなキリエに始まり、35分程度の時間の中で織り成されていくその仄かで美しい世界。...
スザンヌ・ファレルの魅力は、そのパフォーマンスの完成度にあるのではなく、彼女の完璧な不完全さにこそ宿っていると感じます。 形式的に合格点な美では無くても、スザンヌの踊りには音楽の中に自分自身を放り投げてしまう純粋...
もともとはスザンヌ・ファレルのために創られた作品を他のバレリーナが踊っている例として、ナタリア・マカロワが自身のDVDにも収録しているモーリス・ベジャールの「バッハのソナタ」があります。 デニス・ガニオをパートナー...
スザンヌ・ファレルは、マカロワのようなアダージョでの優美なラインもゲルシー・カークランドのようなアレグロでの圧倒的なスピード、跳躍、テクニックも持ち合わせていませんでしたが、観ている者にそんな事など忘れさせてしまうくら...
スザンヌ・ファレルは、必ずしもバレリーナとして理想のプロポーションをしている訳ではありません。 もちろん、バランシンのミューズであった程ですから、細い事は確かに細いですし、十分に長く、美しい手足に恵まれてはいます。顔...
スザンヌ・ファレルは、ポール・ド・ブラ(腕の運び)だけではなく、そのポール・ド・テット(頭の運び)にも彼女ならではの表情を散りばめています。 例えばバランシンのツィガーヌでロマを踊っている時など、弦のつま弾き一つ...