プリエ3

 美しい情景を眺めてほっとした胸は撫でおろされ、それによって頭の角度が変化し、眼差しは新しい景色をなぞり始めます。
 
 アロンジェの過程で一番長い曲線を描いていた腕からは無駄な力が抜けて肘が緩み、葉のような掌には繊細な柔らかさが広がります。
 リラックスした指の隙間を風がすり抜け、ポール・ド・ブラ(腕の運び)は茎を支点に枝・葉がしなっていくように流麗な軌道でそよぎます。
 
 このポール・ド・ブラによって下半身の動きが程よく減速され、プリエの過程で上半身が落ちてしまう場面を回避出来るのです。