許す

 宗教や自己啓発などで触れられる事も多い「許す」という行為ですが、私を含め、これがなかなか難しいと感じている方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

 そもそも「許す」という感覚を持つ事自体、自分自身が他者に何かをされ、それによって傷付いたり損をしたりというネガティブな体験をしたと認識する事が前提条件となる場合が多いと感じます。
 すなわち、許せないと思う側は、そう思った時点で自動的に「被害者」になってしまうのです。そして、許さないでいる限り、永遠にこの被害者という立場のままです。

 しかし、残念ながら被害者というスタンスは、私たちから本来のパワーを奪ってしまい、結果、人生のクオリティにも悪影響を及ぼしてしまいます。

 そう考えると、実は「許す」という行為の最大の焦点は、許せない相手ではなく、許さない自分にあると言えるのかも知れません。