イメージの力2

 遠い昔、米国で通っていた学校の演劇の授業で「寒さに震える」トレーニングをさせられた経験があります。
 
 特に室温に変化がある訳でもないいつも通りのクラスルーム。それもまだ残暑が厳しく、教室には空調もなし。寒さなどまったく感じない状況でした。

 この時に授業を担当していた先生はアクターズ・スタジオ出身だったという事もあり、その指導方法はスタニスラフスキー・システムを踏襲したスタイルで、演じるという行為においては常に「内から外へ」というアプローチが徹底されていました。
 
 スタニスラフスキー・システムはバレエのワガノワ・メソッド同様、とても奥が深く、なかなか簡単には語り尽くせないトピックですが、その核を成している要素の一つとして、説得力とリアリティに溢れる演技は私たちの意識や経験から導き出されるという考え方があります。