シューベルト-交響曲第5番変ロ長調D.485

 空を覆う銀色がかった雲を撫でるように流れる優美な旋律。その繊細でエレガントなテクスチュアに包まれ、心も体もじんわりと温まっていきます。

 この曲を聴くと、決してアグレッシブではない前向きさや明る過ぎない光を感じ、ただただ生理的に気持ち良くなります。

 31歳でこの次元から旅立ってしまったシューベルト。もっと長生きしていたら一体どれだけの素晴らしい作品を残してくれたのだろうと思う一方、おそらく僅か31年の年月だけが彼の魂の旅ではないと考えると、シューベルトは今もどこかで美しい音楽を創り続けてくれているのかも知れません。