日々、何らかの形や場面で美しい芸術に触れる事は、私たちの人生に沢山の祝福を届けてくれますが、そのうちの一つは「謙虚さ」かも知れません。
まさに神に選ばれし巨匠たちから放たれた人類へのギフトと言ってもいい素晴らしい作品を経験する度に、謙虚でいようと心掛けなくても、心はオートマチックに謙虚モードにシフトさせられてしまいます。
言葉さえ見つからない程の感動を授かる広大な集合的幸せのどこかにいる砂粒のような自分 - その砂粒が延々と続く砂浜の一部でいられるだけで十分。それだけで海も太陽も月も星の美しさも感じられる。
少なくともその感動が響いている間、私たちは芸術が持つ大きな愛に包まれて、いい意味で無防備になり、自分の心に美しい何かが広がる事を受け入れているのではないでしょうか。
理屈でも知識でもなく、常識はもちろん善悪や損得さえも超越して、美と言う圧倒的な説得力で私たちを素直になる事が出来る場所へと導き、その瞬間、場合によっては人生が変わってしまう程の体験を与えてくれる芸術に対して、深い感謝の気持ちで一杯になります。