土砂降りのギター。それがエスタス・トンネの演奏を最初に聴いた時の印象でした。どこか怒りにも似た情熱を、その一筋ひとすじで大地に叩きつけるように降り続ける雨。
エスタスが奏でる美しい情景に誘われるというよりは、引きずり込まれ、びしょ濡れになりながらも歓喜に溢れて稲妻が踊る空を見上げている ー ふと気が付いたら、雲は流れ、穏やかになった空から降り注いでくる光が、濡れた肌にじんわりと広がっている。
永遠にこの雨に打たれ続けたい。そう願っても土砂降りは気紛れな通り雨のようにあっという間に過ぎ去ってしまった。
雨の香りが残る空気に包まれ、少し柔らかくなった大地を踏みしめながら、外側はまだひんやりとしていても内側は火照っている自分が、葉っぱを伝って静かに落ち続ける雫となった甘美な雨の余韻の中にいました。