クロワゼ3

 一つひとつのパがそうであるように、ボディポジションにもそれぞれの「らしさ」があり、クロワゼに関しても「クロワゼらしさ」を醸し出す身体の操作がとても重要です。

 ステージ或いはスタジオのコーナーへ身体を向け、顔だけ客席や鏡方向を見て立つ状態ではもちろんクロワゼにはならず、腰や足元はコーナーへ向いていても、上半身全体が下半身との関係性の中で客席へとプレゼンテーションされていなければ、クロワゼが本来持っているはずの美しく絞られたラインを達成する事は出来ません。
 
 この絞られた感覚こそが、客席から眺めた時にクロワゼならではの「上昇感」と「存在感」を放っているシルエットへと繋がり、結果、観客へもクロワゼらしいエネルギーがしっかりと届き、その美のテクスチュアを高い純度で感じてもらう事が可能になるのです。