クロワゼに限らず、バレエにおけるボディポジションの美しさには、頭、首、肩、背中、脇、胸、腹、腰の全てが連携して動く事が不可欠で、それはただ単にあるポーズを特定の方向へキープするという事ではなく、まさに「全身でポジションを踊る」というプロセスです。
もともとポジション自体、決して静止したポーズではなく、せせらぎのようなエネルギーが流れ続けるアクションです。ですからポジションもパ(ステップ)同様、それそのものがすでにダンスであり、ある世界観を持った表現であると言えます。
そう考えると、クロワゼも単なる客席から観たボディラインおよび方向という捉え方に沿ってポジションを「構える」のではなく、「クロワゼを踊り上げる」という芸術的な意識を持ち、身体全体を駆使してその美を表現する事が大切になります。