ダイアモンド・リリー

 文化の日の3時間マンツーマンレッスン(2枠分で1レッスン)。光溢れる祝日、そして愛と美と芸術の象徴でもあるヴィーナスが支配する金曜日、頭のてっぺんからつま先までバレエに浸り、バレエを感じ、バレエになった時間でした。

 トウシューズでのプリエ、タンデュから始まり、足にもシューズにもいいエネルギーが流れ始めた段階でドゥミ・ポアント、そして意識しなくても「立ってしまう」場面のみポアントで踊ります。

 今の段階で大切なのは何が何でもポアントに立つ事ではなく、ポアント・ワークのためのテクニックと身体感覚を音楽と振りの流れの中で体系的かつ効率的にインプットする事です。
 バーにしがみついて何とかポアントに立っても、鍛えられるのは腕力、握力だけです。
 
 まずはバレエ・シューズとは大きく異なるトウシューズでの踊り方に慣れ親しみ、技術と身体がポアント仕様に進化していく過程を丁寧に経験する事こそが、結果的には質の高いポアント・ワークへの近道となるのです。
 焦らず、急がず、無理をせず、ポアントが迎えに来てくれるのを待つ。そして、その時を楽しみに自分の踊りをじっくりと育てて行く。

 プレゼントしてくれたダイアモンド・リリーのように、新しい次元でキラキラと輝き始めたその舞に、彼女自身がこれまで経験してきたバレエの旅の様々な情景が重なり、とても静かな感動に包まれたレッスンとなりました。