「絵画的でありながら映像的」- マンフレディ―ニの音楽が持つ魅力は、目の前に置かれた美術本が1ページ1ページ丁寧にめくられ、そこから広がって動き出す風景を楽しむような体験をさせてくれるところです。
彼の作品には曲のテンポに関わらず寛ぎの中に活力があり、それは燦燦と輝く太陽を浴びていると言うより、木漏れ日に撫でられているような気持ち良さです。
マンフレディーニと言えば、やはりクリスマス・コンチェルトが有名だと思います。このシーズンになると毎年聴かれる方、どこかで耳にする機会が増える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私自身、12月に入って空気が一段と引き締まってくると、マンフレディーニが聴きたくなります。それはおそらく、マンフレディーニの音楽は「暖を取らさせてくれる」からだと感じます。
冬が放つシャープな質感からしばし離れて、柔らかく明るい場所でリラックスする。
吐く息が白くなる季節には、ついついマンフレディーニの音楽に手をかざしたくなります。