マンツーマンレッスンで踊ったショパンのエチュードOp. 10-3。
「別れの曲」として知られるこのショパンの調べで様々なダンス作品が踊られてきましたが、フィギュアスケーターの浅田真央さんが2007-2008年シーズンにエキシビション・ナンバーとしてソプラノ歌手レスリー・ギャレットのSo Deep is the Nightで演技した時の素晴らしさが、圧倒的に印象に残っています。
ちなみにこのシーズン、まだ17歳だった浅田真央さんのフリープログラムはショパンの「幻想即興曲」でしたが、世界選手権ではオープニングのトリプル・アクセルでかなりインパクトのある転倒をしたにもかかわらず曲の世界観から乖離することなく演技を続け、トリプル・フリップ – トリプル・トウ、そしてトリプル・フリップ – トリプル・ループのコンビネーション・ジャンプを見事に決めて優勝を飾っています。
ショパンを踊り上げるために相応しい純粋さ、透明感、技術、表現力、そして愛と優しさに溢れる浅田真央さんだからこそ出来る儚げで美しいパフォーマンスは、どんなバレリーナの踊りよりも胸に沁みます。
浅田真央さんの至高の演技を観る度に、世界中の多くの方々と同じく私もまた心が静かな感動の波に洗われ、とても幸せな気持ちになるのです。
ショパンの音楽を天使のごとく清らかに視覚化する浅田真央さんは、まさに唯一無二の「神に選ばれし者」だと思います。
優美なお雛様のような浅田真央さん。彼女はフィギュア・クィーンなどにならなくてもいいのです。今も昔も、そしてこれからも「みんなの真央ちゃん」は一番高い場所で美しく微笑んでいるのですから。