スザンヌ・ファレル4
スザンヌ・ファレルは、必ずしもバレリーナとして理想のプロポーションをしている訳ではありません。 もちろん、バランシンのミューズであった程ですから、細い事は確かに細いですし、十分に長く、美しい手足に恵まれてはいます。顔...
スザンヌ・ファレルは、必ずしもバレリーナとして理想のプロポーションをしている訳ではありません。 もちろん、バランシンのミューズであった程ですから、細い事は確かに細いですし、十分に長く、美しい手足に恵まれてはいます。顔...
スザンヌ・ファレルは、ポール・ド・ブラ(腕の運び)だけではなく、そのポール・ド・テット(頭の運び)にも彼女ならではの表情を散りばめています。 例えばバランシンのツィガーヌでロマを踊っている時など、弦のつま弾き一つ...
沈黙に想い束ねる返り花
初めてスザンヌ・ファレルのパフォーマンスを観たのは1970年代後半でした。バランシンのアポロでテルプシコレーを踊る彼女は、ある意味、人間とは思えないエネルギーを放っていました。 舞台の上のスザンヌ・ファレルからは世俗...
ジョージ・バランシンはもちろん、モーリス・ベジャールのミューズでもあったスザンヌ・ファレルは、その輝かしいキャリアを通して、オデットもジゼルもキトリもオーロラも踊る事無く一世を風靡した稀有なバレリーナです。 スザンヌ...
音楽はいつも私たちに寄り添い、導いてくれているとても心強い存在なのです。私たちがどんな状態であろうと、常に変わる事無く誠実に流れ続け、決してダンサーを裏切る事はありません。 そんな健気で愛溢れる音楽に対して私たちが出...
音楽も声。嬉しそうな声、悲しそうな声、柔らかい声、シャープな声、軽やかな声、ずっしりとした声、どこか懐かしい声。それぞれの曲や楽器が、表情豊かな声で常に私たちへ語り掛け、場合によってはその沈黙でステップの一歩いっぽを誘...
時には耳元で優しく囁き、時には一言だけぽつりと呟き、時には遠くから力強く呼びかけてくれる ー 音楽、それはダンサーにとって最も頼りになる美しき味方です。 音は振動であり、鼓動であり、呼吸です。音楽はそのエネルギーを空...
Every cloud has a silver lining. 日常会話でも結構使われる事がある英語の表現で、直訳すると「どの雲も銀色の裏地を持っている」と言う意味になりますが、一見悪い事のように思える経験も実...
ジャン=マリー・ルクレールの音楽を初めて聴いた時、素直に身体が踊り出しました。それはとてもじっと座って鑑賞出来るような旋律ではなく、非常にストレートに心に飛び込んで来て、あっという間に身体の隅々まで響き渡るようなエネル...