どのジャンルでもトップレベルに成長する選手やパフォーマーには共通する身体的、精神的特徴があります。それらの特徴を有していない人は遅かれ早かれ淘汰され、多くの場合、一流というクラスに到達出来るのは一流になるために必要な条件・要素に祝福されている人です。
平たく言えば「才能や資質」がある例外的な個体が生き残りやすいという事です。
才能に恵まれていない人が「努力」と呼ばれる頑張りで目的を達成する事は可能でしょうが、才能に恵まれた上に努力もする人には太刀打ち出来ません。加えて、才能があり努力をしたとしても「運」に恵まれなければ夢や目標を実現させる事は困難です。
私が最も尊敬する人物の一人であるフィギュアスケーターの浅田真央さんは、かつてある雑誌のインタビューで、やるべき事をやったらあとは運命なのだというような話をされていました。
おそらくこれまでのどの日本人フィギュアスケーターより美しいプロポーションと素晴らしい才能に恵まれ、ありとあらゆる逆境や理不尽なサボタージュも乗り越えて、想像を絶する努力を積み重ねたであろう浅田真央さんのこの言葉には静かな説得力があり、とても心に響きます。
モーツァルト作品の生命力溢れる解釈で有名なピアニストの内田光子さんも、イギリスでのインタビューで成功するために必要なものは何かと聞かれた時、才能や努力はもちろんだが一番大切なのは幸運である事だと仰っていたのが印象的です。
この時の内田さんご本人の言葉はYOU HAVE TO BE LUCKYでした。
才能、努力、運 - これら全てに恵まれた人は夢を叶えるでしょう。しかし、夢が叶うイコール幸せというわけにもいかないのが、この人生という不思議な旅路。
本当に何が良かったのかは、最後まで、いや、最後になっても分からないのかも知れません。