話がちょっと脱線してしまいましたが、演劇の授業で実際に何が起こったのかをお話しすると、出席していた生徒20人くらいのうち約三分の二が「寒い」と訴え始め、中には鳥肌が立っている者や歯をガチガチと鳴らしている生徒もいました。
私も含め、多くの生徒が本当に寒くて震えてしまったのです。
この状態に至るまで、生徒それぞれが一体どのような過程を辿ったのかを意見交換したところ、厳しい寒さを体験した過去の場面を呼び起こしたという生徒、テレビや映画などで観た雪山での遭難シーンを頭の中で再生したという生徒、大きな冷凍庫になった教室に閉じ込められている自分を想像した生徒など、思い浮かべていた内容は様々でした。
しかし、誰もが「今」そして「ここ」とは異なる仮想現実・仮想空間を、心の中で立ち上げていたと言う事は共通しています。